中国経済の大きな躍進と共に、今や世界中でメイド・イン・チャイナ製品が氾濫している事は周知の事実です。
ブラジルでも繊維製品からIT関連に至るまで街中では中国製が溢れる時代になっています。
ブラジルは自国産業保護を念頭において、各種業界の景況動向によって輸入品への輸入税やIPI税(工業製品税)を増税しています。
また、国産品のIPI税を減税するといった措置を講じながら国内企業を保護するように務めています。
そんな中でも、輸入が増加しすぎて苦しんでいる業界を7月初めにメディアが特集しました。
そのメディアによれば、ブラジルの憲法が「新聞、雑誌、書籍等の出版物の輸入は一切無税」と定められていることが「奇妙なビジネス」に繋がっていると言うのです。
近年ポルトガル語の教育用図書や聖書までもが、中国からの輸入に依存するようになっているのです。
印刷出版業界では、書籍の種類によって紙や糊を外国製に頼って国内で印刷製本しています。
原料資材の輸入にかかるIPI税や輸入税を負担して国内生産するコストに比べ、書籍完成品を輸入したほうが50%のコスト減になる事が理由だそうです。
国内の聖書出版最大手社では、2年前まで年間300万部印刷していた聖書が、今年は100万部にも達しない模様です。
そうした背景が、全般的にブラジル国内の印刷製本業界を直撃しています。
以上 次回の"ブラジルからの報告"をお楽しみに!!