昨年半ば、数回に亘ってレポートしていたブラジルの環境保護法修正案は、昨年7月にブラジルの下院特別委員会で承認されました。
その後、下院本会議での採決待ちとなっていましたが、去る5月24日、下院を賛成多数で可決・通過しました。
今後は、上院での審議を経て合法化される仕組みです。
ジルマ新大統領は、原生林地区の採伐を許可しないと公約に掲げてきた関係上、上院を通過する際に大統領拒否権の発動も予想され、行方は混沌とした状態が続いています。
一方、本改正案が下院を通過した当日、5月26日に違法伐採反対デモを開催する計画だった環境保護活動メンバーの夫婦が、パラー州奥地で殺害されるという事件が発生しました。
同夫婦は、違法伐採業者を告発したことによって脅迫を受けており、その旨当局に報告していたとして、活動家たちは政府に対し過失責任を追求しています。
下院で可決された本改正案では、4区画(40ヘクタール)までの小規模農家の原生林保護義務を免除しています。
それに加え、2008年までの違法伐採を特赦する措置も講ぜられており、謂わばアマゾン地区の森林伐採を奨励する法といっても過言ではありません。
「適法で農家は、さらに土地利用ができ生産に励むことができる」とブラジル国内では高く評価される意見も多くあります。
皆さんご承知のように、世界的には環境保護ムードが支配しており、どんな着地点を迎えるのかは全く予断を許しません。
次回の"ブラジルからの報告"をお楽しみに!!