ブラジル最大の都市サンパウロ市(2007年度人口:約1,090万人)では、市内を走行する自動車台数の急増と共にピーク時間帯における渋滞が極めて酷く、 その対策として1997年以降月曜から金曜の間午前7:00−10:00と午後5:00−8:00の間に限り、ナンバープレート別による乗用車の市内(市内の広範囲)乗り入れ規制を導入、渋滞はやや解消されました。
しかしながら、好調続きのブラジル経済を背景に信販会社が大幅にクレジット枠を拡大し、中産階級以下の階層でも新車を購入する市民が増大、また乗り入れ制限を理由にセカンドカーの購入に踏み切る人達も増えて、 規制がスタートした10年後にはサンパウロ市内の街道や道路は元の木阿弥状態となってしまいました。
こうした状況に憂慮した市当局は、今年7月からナンバープレート別に今度は中型以上のトラックの乗り入れ規制を開始しました。当然のことながら、業務に支障をきたし死活問題ともなる運送業者が毎日のように規制廃止デモを続けましたが、 当局は一切関知せず。渋々、小型トラックの購入に踏み切る運送業者も沢山出てきました。
市内では道路の拡張・新設計画が遅々として進んでいないことから、何年か後にはまた別の対策が必要になることでしょう。
参考までに、ブラジルの自動車生産台数は今年度300万台を突破し、フランスを抜いて世界第6位になる予想です。
次回の"ブラジルからの報告"をお楽しみに!!