日本のニュースでも既報のように、ブラジルの次期大統領選挙は去る10月31日の決選投票の結果、与党である労働党出身のジルマ・ロウセフ氏が当選し、ブラジル史上初の女性大統領が誕生することになりました。
就任は来年1月1日。 今でも支持率7割台を誇るルーラ大統領の政策継承を公約しており、すべての国民の貧困撲滅と機会平等を目指しています。
ジルマ氏(年齢62歳、結婚歴2回で現在独身、2度目の夫との間に娘一人)は、ミナス州の比較的裕福な中流家庭で生まれ、学生時代に当時の軍事政権打倒を目指す左翼ゲリラ運動に身を投じて約3年間投獄されました。
釈放後は政治活動に傾倒し、同じ政党に所属していた南大河州知事に抜擢されて同州鉱山エネルギー局長へ起用されて力量を発揮しました。
その素質に惚れ込んだルーラ大統領が2003年鉱業・エネルギー大臣に登用、当時深刻だった電力不足の解消に道筋をつけ、2005年以降はこれも女性初の官房長官として現政権を支えてきました。
押しが強くて効率や正確さを重視し、国内では「鉄の女」という異名を持っています。
ブラジルは国内総生産が現在世界8位、今年の経済成長予測は7.5%。新規雇用者数は過去最高の年間250万人に達する勢いで、失業率も過去最低水準の6.2%(9月)と好況を示す統計が並んでいます。
2期8年のルーラ政権下で、ブラジルは「新興国の大国」に成長、国民は「安心感」を求めて現状維持を選択した結果と見られます。
以上
次回の"ブラジルからの報告"をお楽しみに!!