地球環境保護の観点からアマゾン地域での森林伐採が世界中で注目されている中、アマゾン密林地帯の南側に隣接するブラジルのマトグロッソ州では、森林の不法伐採に関与したとして、州の環境局長をはじめ地域開発局長ほか職員多数が摘発されるという事態が発生しました。
摘発者数はブラジル5州にわたって91人にのぼっていますが、内55人がマトグロッソ州の職員であり、行政ぐるみの組織犯罪に大きな波紋を呼んでいます。
国立宇宙調査研究院(INPE)の調査によれば、2007年第2四半期、アマゾン密林地帯に一部しか接していないマトグロッソ州で、アマゾン密林伐採面積において国内最大を記録。その深刻さが兼ねてから問題視されてきました。
ブラジル連邦警察が3―4年ほど前に別件で捜査を行った際、行政がらみの不法伐採に関する疑惑が浮上し、その後捜査を進めた結果、今回390人もの警察官を動員する一斉摘発となりました。
摘発された職員たちは、職権を乱用して短期間の内に伐採許可を与え、その見返りに現金や高級車を受け取っていました。
また、書類や衛星写真を捏造し、あたかも原生林がそのまま残っているかのように繕った非常に悪質なものでした。
逮捕された元環境局長は、現役時代に州議会で「不法伐採や環境破壊は、社会全体のモラル低下が問題だ。」などと発言しており、その当人が不正を働いていたことが判明して非難が集中しています。
次回の"ブラジルからの報告"をお楽しみに!!