昨年9月、アメリカで端を発した金融危機が原因となり、瞬く間に世界同時不況に陥ってから、ちょうど一年が経ちました。この一年間のブラジル経済の動きを簡単にまとめてみました。
ブラジル地理統計院(IBGE)が9月11日に発表したところによれば、今年第二・四半期の国内総生産(GDP)は前期比1.9%の増加となり、自動車産業の回復と個人消費の伸びが牽引してプラスに転じました。
昨年第四・四半期(マイナス3.4%)、今年第一・四半期(マイナス1.0%)と、二期連続のマイナス成長で景気後退入りしていましたが、統計的にもやっと景気が回復軌道へ転じたと言えます。
GDPがプラスに転じた最も大きな背景は、国の減税効果もあって自動車や電化製品の売り上げが増加したほか、輸出が14%の伸びに対して、輸入が1.5%という小さな伸びに留まった点が強調されています。
尚、工作機械の販売や公共投資は、依然として前期比マイナスが続いていますが、経済担当相は予想範囲内として楽観視しており、既に回復の兆しは出ているとしています。
尚、ブラジル景気が回復に転じていることは、下表の株価と通貨の推移からも明らかとなっています。
サンパウロ株価指数 (BOVESPA) |
ブラジル通貨 レアル/ドル) |
|
2008年6月末 | 65,017 | 1.59 |
9月末 | 49,541 | 1.91 |
12月末 | 37,550 | 2.34 |
2009年3月末 | 40,925 | 2.32 |
6月末 | 51,465 | 1.96 |
9月15日 | 59,263 | 1.80 |
一方、ここ一年間で不動産価格特に中古物件の値上がりが著しく、サンパウロ市内や近郊では1年間で50−150%値上がりしたと報じられています。
世界同時不況どころか、不動産バブルの様相すら呈している昨今のブラジルです。
次回の"ブラジルからの報告"をお楽しみに!!