6月にブラジル全土に拡がった抗議デモは、7月に入って沈静化してきました。
直近の意識調査によれば、国民の70%以上が今般のデモに賛同しており、連邦政府、上下院議会、州政府、市議会などすべての行政府に対して民主主義の底力を突きつけた効果は極めて大きかったと判断されます。
デモのプラカードに「目覚めよブラジル」が多く見受けられたが、一連のデモの後、ジルマ大統領をはじめ、州知事や市長への支持率が大幅に落ち込みました。
つい最近まで60%の国民支持率を得ていたジルマ大統領は、一気に30%へと急低下しました。
6月末、大統領は、全国の州知事・市長を召集して下記の五つの緊急対応策を発表しました。
1. 行政府総出でインフレ対策
2. 政治改革
3. 保健・医療行政改革
4. 公共交通の改善
5. 石油ローヤリティー政府収入の75%を教育システムへ
2番目の政治改革については、国民投票により、新たな選挙制度や汚職撲滅のための法律を定める事を目指しています。
一方、5番目は、その後下院で75%を教育、25%を医療に振り向ける事が承認されました。
一方、新聞の論調を見る限り、こうした緊急対策に対する国民の反応は今イチです。
「大衆の目を逸らせる方便」、「何を今更」と冷たい視線が注がれているのも事実です。
いずれにしても、今回の長期に及んだデモを契機にして、政府と国民両者が一体となった新生ブラジルへの変身を誰もが願うところです。
以上 次回の"ブラジルからの報告"をお楽しみに!!