今月6月初め、サンパウロ市で市バス代の値上げ(R$3.00→R$3.20)に反対する抗議デモが2,000人規模で発生しました。
デモ隊の一部がバスに放火したり、公共施設や店舗の破壊行為に及んだため、デモ隊が軍警察と衝突して、多数の負傷者が出るという事件が発生しました。
サンパウロ市のバス代値上げ反対という旗印で始まったローカルな抗議デモは、その後全国の主要都市へと拡大。
6月17日にはサンパウロ、リオ、ブラジリアなど11都市で総勢数十万人規模のデモが繰り広げられました。
その当日6月17日に、バス代は据え置きにすると各市当局から回答されましたが、もはや全国に広がったデモの勢いは止められませんでした。
「汚職撲滅」、「治安の改善」、「教育・福祉への予算増」など、ブラジルに深く根付いている諸問題の改善を要求する抗議プラカードが一斉に掲げられ、デモは大規模化しています。
国民の抗議は正当なものであると各メディアが後押ししているためか、6月20日には、全国100以上の都市で過去最高となる数百万人規模に達するデモが繰り広げられました。
特筆すべきなのは、各地で起こっている抗議デモが、政権野党組織や特殊団体の扇動によるものではない点です。
国民の間で鬱積していた政治家や官僚たちへの不満が、堰を切ったかのように反政府デモへと発展して、史上例を見ない大規模なデモに繋がっており、もはや収拾のつかない深刻な社会問題と化しています。
以上 次回の"ブラジルからの報告"をお楽しみに!!