2月20日、ブラジル日本商工会議所は、サンパウロ市内のホテルにおいて「2013年の回顧と2014年の展望」というテーマで毎年恒例の業種別シンポジウムを開催、会員企業関係者や一般参加者など約140人が参列しました。
近年の目覚しい経済成長と共に人件費が大幅に増大した一方で、生産性は殆ど上がっていない点が多くの業界から指摘され、ブラジルは自国の競争力を低下させる「罠」に陥る危険性があるとの見方が台頭、2013年は厳しい1年だったと総括されました。
1.今年は10月に大統領選があり、新政府の経済政策に最も関心がある(会議所会頭)
2.W杯と五輪による経済成長を期待したが、工業関連は期待外れの低成長に終わり、政府が派手に発表したインフラ投資についても、実際の投資が動き出したケースは少なく、需要喚起に結びつかなかった(機械金属部会)
3.レアル通貨安→インフレ圧力→金利引き上げ→投資低迷・景気後退→景気対策・財政出動→政府債務増加・格下げリスク→レアル安へと循環し、負のサイクルに陥った(金融部会)
4.ブラジル経済がV字回復する見込みは殆どなく、低成長が継続(自動車)
5.W杯関連で200万人の雇用創出計画がある(運輸サービス部会)
6.短期的には厳しいだろうが、中・長期的には良い市場という期待があるのでしょう(サンパウロ総領事)
以上のような報告がなされ、W杯開催期間中の生産ライン停止や物流の混乱、抗議デモの発生などマイナスの影響を懸念する声も多く、2014年の見通しは明るい話題に乏しいシンポとなりました。
以上 次回の"ブラジルからの報告"をお楽しみに!!