スペイン語の翻訳サービスは翻訳会社のランゲージユニオン

翻訳会社ランゲージユニオンのロゴ フリーダイアル サイトマップ メール 連絡先

ナビゲーション お問い合わせ 会社案内 選ばれる理由 ホーム


スペインからの報告 2008.07.14開始


翻訳会社 Language Union のスペイン語の翻訳者が、選んだスペイン国内の最新ニュースです。日本にいては分からないスペインの情報を、読み易い日本語にしてご紹介しています。


第1回 "スペイン経済の現状" 2008/07/27


現在、スペイン経済は厳しい状況に直面しています。


第一に、ユーロ通貨の価格上昇を受け、本年度第一四半期の所得収支は記録的な赤字を計上、また年間輸入率は輸出率5.1%に比べほぼ2倍の10.5%上昇したことが挙げられます。


スペインの塔

次に、スペインはエネルギー供給の85%をロシア・ノルウェーなど国外からの輸入に頼っているため、エネルギー価格の上昇とそれに伴うインフラ圧力の高まりは年間4.7%に達し、 これにより輸入率が増加しました。


また、今年3月の住宅ローン新規融資額は前年比38%減少、住宅売買は38,55%減少したことなどからも分かるように、建設業の落ち込みは特に著しく、 その波紋を受けて経済活動全体が停滞・低迷するという状況にあります。


さらに、原油需要の増加による石油価格の高騰及び主要食品価格の上昇、投機売買によってもたらされた住宅ローン危機などによる景気後退に対し、 政府が明確な対策を施さずにいることへの批判が高まり、消費者の間には不信感が高まり、供給者側でも特に運輸業者、農漁業者らの間でストライキ運動などが引き起こりました。


こうしたスペイン経済の低迷、不況について、社会労働党のサパテロ首相は「経済危機」との表現を避け、経済成長の「desaceleracion (減速)」であるとの認識を示しており、 これにより野党・反対派からの強い批判を浴びています。


スペイン・ラマンチャ

一方、国内では失業率の上昇が深刻な問題となっています。経済協力開発機構(OECD)が6月発表した雇用見通しに関する報告によると、スペインにおける失業率は2008年で9,7%、 2009年には10.7%に上ると予測されています。これは同機構の公表した2007年及び2008年における平均失業水準値5.7%・6%を上回るもので、特に2008年の失業率についてはアイルランド同様、ヨーロッパで最も高い値です。


また、OECD加盟国の平均失業率が2006年1.7%から2007年1.5%へと低下傾向を見せる一方、スペインでは就業人口が他のヨーロッパ諸国に比べ大きく減少しており、雇用水準の成長率についても2006年4.1%及び2007年3.1%に比べ、 今年はわずか0.7%、さらに翌2009年には0.3%に低下すると予測されています。


就業人口については男女差がここ10年間で著しく減少した点で、スペインにおける女性就業人口は他のEU諸国と比べても顕著に上昇しており、女性の目覚しい社会進出が伺えます。 しかし一方では若い人材、中でも中等教育を経てすぐに就職をした若者らの50%が一時的雇用にとどまる傾向が見られ、この点も現在スペイン経済の特徴といえるでしょう。


早急な対策が必要とされる今、企業に対する租税負担の軽減、法的緩和、市場の透明化など、EU加盟以来初の構造改革に向けた取り組みが現在スペイン政府の緊急課題とされています。


次回の"スペインからの報告"をお楽しみに!!



" ベスト・クオリティの翻訳サービスを、全てのお客様に提供すること "

私達 Language Union の使命です。