台湾では公用語としてどんな言語を使用されているのかは皆さんご存知でしょうか?「台(湾)語」ではなく、中国本土の「普通話」とも一味違った「中華民国国語」(以下の「国語」と表記)は公用語として政府機関や学校などの公式の場で使用されています。
「国語」とは第二次大戦後、中華民国政府が北京語を基礎に作り、台湾地域で普及させた言語のことです。台湾地域ではすでに50年以上の歴史があり、中国本土の「普通話」とは別に独自な進化を遂げてきました。その特殊性から、言語学者にTaiwan Mandarin と呼ばれています。 その特徴について、以下は表記方式、語彙から説明しましょう。
表記方式について、「繁体字」を使用しています。「繁体字」は英語で言えば「Traditional Chinese(直訳:伝統的な中国語)」です。中華人民共和国の一連の「文字改革」政策による簡体字に対して字画数が多い漢字の字体を指し、日本における旧字体に相当します。[1] 「繁体字」は台湾のほか、香港、マカオなどでも使用されています。
語彙について、台湾のローカル言語、日治時代の名残として日本語をはじめとした諸外国語から影響を受けています。そのほか、戦前の旧式中国語や「眷村(大陸の軍隊及びその家族の集住地)」の特殊な言葉遣いも「国語」の中にたくさん取り入れられています。
政策として作られた言語とはいえ、台湾の「国語」は多くの言語と同様に、生きており、常に変化し続けています。
次回の"台湾からの報告"をお楽しみに!!
参考:
1、ウィキペティア「繁体字」2008年7月18日
2、維基百科「台灣國語」2008年7月18日