今年大雨による災害が後を絶たなかった日本とは対照的に、ブラジルでは降雨が少なく貯水池の水位が大幅に低下、各地で水を巡るトラブルが多発しています。
東北部のセアラー州では、9月に入って州の96%に相当する市町村で干ばつによる緊急事態宣言が出されました。
それに伴って、同州のダム周辺地域では水を奪う為の土地不法占拠や、農場主が水を確保するために殺し屋を雇うところも出現、水を巡る命懸けの抗争が繰り広げられています。
また、サンパウロ大都市圏周辺では、サンパウロ北部に位置する大貯水池が干上がり始め、水不足は徐々に深刻さを帯びてきました。
サンパウロから70kmほど離れたイツー市(W杯日本代表選手団が合宿した市)では、給水制限が厳しさを増してきた事に反対して9月22日に市民らが抗議デモを断行、市役所へ投石する暴動へと発展しました。
このイツー市に工場を持つブラジル・キリンビール社では、操業に重大な影響をもたらす節水がなされていない事から、産業界への給水は充分に行われてきた背景が伺え、一層市民の反発を買ったものと見られます。
サンパウロ市内では、地区によって時間帯による給水量制限はなされていますが、断水は報道されておらず、水道局が節水のチラシを配って市民へ水の節約を喚起しています。
地球的規模の異常気象が続く中、まとまった降雨が切に望まれるブラジルです。
以上 次回の"ブラジルからの報告"をお楽しみに!!